(74)§ノートを見て 近江 達
§ノートを見て
 試合中、指導者は大声で指図するが効果は疑問で、確実なのはハーフタイムの指示と選手交代だけである。皆さんはメモも使わないが、頭が悪い私は見落としや言い漏らしがないようにノートに書きとめ順番をつけて、ハーフタイムにそれを見て話したから珍しがられ、後半それで枚方の形勢が一変して好転したりするので近江マジックと評判になった。
ところが聞きに来たよそのコーチは、期待したのに別段変わった事は言わなかったというからおかしい。大体、ミスが多い。慌ててる。落ち着いて正確に!とか、うちの方が上手いのだからもっと自信持って!決勝までこれた。失うものは何もない。開き直って思い切りやろう!など心理的なアドバイスが多かったと思う。
 私の練習は静かだ。校庭を貸して頂いていた香陽小学校の矢野校長さんは、「先生方に、サッカーを見なさい!大声を出さなくても笛だけで子供たちが集まる。すぐ静かになって練習が始まるでしょう!と言ってるのですよ」、と話された。

§二期生以後、八期生クラブユース選手権優勝!(枚方は二度目)
 Jリーグを創設された川渕日本協会々長は以前、神戸で中学生だった安井、今井、竹林、北川、大西、山田など一期生と佐々木、小松の試合を見て、全国の少年がこうなるといいね、と話されたという。ユースで日本リーグ二部のヤンマークラブに勝ったくらいに成長した彼らも大学進学で各地に散ったが、その後、残った者がチームを作って大阪社会人リーグに参加、コーチを担当する者も出てきて以後OBがコーチを引き継ぐ良き伝統が生まれた。ただグラウンドが狭いので下級生が増えた為に中高生が広い展開を練習出来なくなり、一期生のようなチームとして一層のレベルアップを図れなかった事が残念だった。以下30周年記念誌にも書いたので簡単に記しておく。

☆枚方独特の小粋なチームスタイルの端野、加茂井、塩田、村田など二期生は神戸フェスティバルで常勝清水中三を佐々木、小松が得意のドリブルで4−5まで追い詰め稀に見る面白い試合で大喝采!観衆は堪能した。だが高校生になるとメンバーが揃わず、クラブユース選手権は増田など三期生との混合チームで出場、三位で終わった。

☆村川、宇都宮、藤江、横畑など四期生は強く鋭いチーム。小六で大阪大会準優勝。藤枝を抜き日本一になった清水に0−2で敗れたが、中三で北川弟と横浜から来た山根が活躍、2−1と見事に勝って西日本フェスティバル初優勝!韓国、ブラジル遠征で負け知らず清水の敗北は語り草になった。ユースで名門帝京を宇和の得点で破り、クラブ選手権での活躍を期待したが新幹線延着など不運が重なり四位に終わった。

☆小柄だが一期生以上に好選手揃いの吉岡、田家、目見田道政、伊佐、橋本、藤川、長田、清飛羅など八期生は小六で大阪大会、関西大会優勝、全国クラブ中二大会優勝。高二は59年クラブユース選手権決勝でスピード、パワーの全日空の激しい当たりに転倒が続出したが、一年上の佐々木栄三を中心に守備陣と臨時キーパー柿原の好守で0−0。延長戦は枚方の素晴らしい個人技と戦術眼で相手を翻弄、目見田靖治がロングシュート、ボールはポストに当たりゴールイン、正キーパーだが指の怪我でFWで交代出場した内田が相手を鮮やかにかわして得点し2−0。いかにも枚方らしい優勝で、「変幻自在、技術の勝利、一人でも多くの人々に見て欲しかった!」と絶賛された。

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