(88)§ドリブル独走 近江 達
§ドリブル独走
 センターフォワードの要務は突破、得点だが、ドリブル独走して得点するタイプではない。コースも経験したウイングのと違う。 全力疾走で相手と並走すると、あっという間にゴールラインでシュートどころでなかった。そのうちにどの辺でシュートに移るか、 少しは考えてドリブルできるようになったが、右よりはいいが左よりは苦手。たまやるとドリブルが大きくなり過ぎる。前進して来 るキーパーの横からボールをゴールに押し込む得点は出来た。だがゴールやキーパーもう少し近づこうとすると大抵ワンタッチ余計 で、キーパーにボールをぶつけたり相手バックに追いつかれたりで失敗した。基本どおりに顔をあげてドリブルして、シュート前に スピードを落としてボールをコントロール下に置き早めにシュートすべきだが、早すぎると遠くて外したり、迷うと駄目だし、何し ろ73歳からの新米センターフォワードだから大変だった。
§必ず見て狙って!どうしたらボールにありつけるか?
 ゴールポストすれすれの内側を狙う事にしている。ポストがはっきり見えてシュートするとよく入る。2回見ると確実、見えないと 失敗が多い。必ずしっかり見て狙え!と自分に言い聞かせて練習しているのだが、振り向きざまや競り合いだと難しい。
 得点した選手がインタビューでよく、いいパスをくれたから、と答える。全く同感で、得点はパス次第!パスが無いとシュートゼロ の事もあり、ラストパスの上手い利口な選手と組めたら幸運でよく得点できる。良いパスとは貰ったら良いプレー、つまり得点できる パスのことで、パスの種類は縦、横、足もと、前方、何でもいい。パスする選手が状況判断してイマジネーションを働かせて、受け手 にとって都合のいいパスを送ればよい。それくらいの戦術眼、技術能力がないと良いパスは出せない。
 前方でボールが欲しくてオフサイドぎりぎりで孤立しがちで、下がって横や斜めのパスをもらうべきだと時折反省。ゴールに背面し て受けるより、ゴールを向いて受ける方が有利なので、どうしたら良いパスを有利な形で貰えるか?位置や動きをかんがえるとが肝心 の時に忘れる。寄りが遅く機敏に頭が働かない。一人前には程遠い。
§点取りやは殺しやの神経を持て!(クラマー)
 左足シュートは現役時代より相当上達したが、右ほど細工や無理がきかず不正確で、右に持ち替えたらよかったとしばしば後悔した。 入って当然なチャンスに人がミスするのを見ると、「どうして?!」と思ったものだが、自分でやってみると、チャンスに必ず得点出 来れば立派なもので、なかなかそうはいかない事がよくわかった。
 失敗の8割は自分が原因だ。キックミス、急ぎ過ぎ、入ると安心した途端に上げたり、これからシュートという時、焦って右足が勝手 に早く動いて蹴ってしまったという信じられないような事さえあった。絶対入れるとムキになったり力みすぎると、肝心のシュートが狂 ってしまう。逆に絶対入る筈の至近距離なので気楽になって、つい無造作に蹴って外して恥ずかしい思いをしたり、年のせいか集中力が ない。
 殺しやのような神経を持て!とはクラマーの名言で平常心、冷静、集中!それに、見る、狙う、シュート、全て一瞬で直感的だが頭の 働きが重要だと痛感している。

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